Dear Father of Heaven 〜いつも平和を愛したあなたに問いたい〜

 先日の熱海での土石流、亡くなられた方々にはご冥福をお祈りする、としか述べようがない。そして、今もなお、行方不明者の捜索は続いている。これまた、早く発見されることを願うしかない。自然の猛威には、どうしたってちっぽけな人間は、到底立ち向かい得るはずはない。

 転じて、到底立ち向かえきれない猛威は、果たして大自然だけであろうか。日本では今、平和の祭典、オリンピックの開催が迫り、コロナ禍との攻めぎあいの中、どう折り合いをつけるか四苦八苦しているが、世界を見回すと、相変わらず、貧困、飢餓、差別、紛争、弾圧などなど、様々な問題が山積して、一方、平和な日本の社会で、のうのうと生活している自分が、本当に申し訳ないという気持ちにすらなってくる。

 そして、また、今日、新たなニュースを目にし、何もできない不甲斐なさと、噴火するような怒りを感じる中、両腕の拳を汗ばむほどに握り締める自分に気がついた。

 またも、超大国中国が、その圧倒的な権力と武力を背景に、香港に対しその巨大な体ごとのしかかって来た。中国が、無理矢理に作らせた国家安全維持法なる、とてつもない鋭い毒針を持った悪法で、民主派の議員達を辞職に追いやり、その猛毒で思考すらままならぬ状態にしてしまったのだ。なんて奴らだ!卑怯極まりない、極悪非道な仕打ち。先日、リンゴ日報を廃刊に追い込んだことでは事足らず、自分たちに逆らう人間達はことごとく、抹殺排除するということだろう。そんな中国の傍若無人な振る舞いに対して、他国は「内政干渉」を盾に何も口出せやしない、国連すら見て見ぬ振りの状態同然だ。そこで聞きたい。

「天国のお父ちゃん、こんな勝手振る舞いが許されていいはずがないよね!」

「その通りさ、正義感の強い、お前の気持ちはよく分かるよ。でもな。」

「でもなって、やっぱり、地団駄踏んで、我慢するしかないのかよ。」

「手の届かないものや事柄って、どうやったって出てくるさ。ちっぽけな人間は手を出せないものが。」

「ちくしょう。悔しいよ。こんな理不尽が、この世の中でまかり通ることに、そして、自分ではな〜んにも役に立てることが、見つけ出せないことにね。」

「もし、形ある身なら、せめてお前の隣で、肩を叩いてあげるのにな。仕方がないさと。」

「届けと願う届かぬ思いは、きっとそのままに。なるがままに、Let it be,Let it be…」か。