Dear Father of Heaven 〜いよいよ開業したよ〜

今は亡き親愛なる掛け替えのない尊父へ。

 

先週の木曜日の5月27日、行政書士の新任登録式が会館で催され、公務員として数十年勤務し、この歳になって新人の行政書士として第2の人生に船出したよ。登録式会場では、前職の公務員時代の親友だった人と二人だけで、県の会長から心構えも含めた訓示を受けて身が引き締まる思いがしたけど、金色に輝くバッジを胸にスーツの袖を通した時には、初めて社会人になったあの頃のように、これから懸命にこの職務に携わるんだという、何か一種むず痒いような、でも、晴天の下で清々しい空気を吸った、新鮮な気持ちにもなったよ。

式が終わった後、彼と二人で、珈琲館という少し小洒落た店で、美味いコーヒーを片手に、この店お薦めのパンケーキを頬張りながら、久しぶりに今後のことをお互いに熱く語ったよ。こんなに定年後にワクワクした気持ちになれるとは思いもしなかったよ。ゆったりと余生を過ごすのが幸せなのか、死ぬまで働き通すのが幸せなのか、誰にも答えは出せないかと思うけど、貴方が、半身不随を克服して、亡くなる直前まで、本業のまんじゅう作りをやり通す一方で、東日本大震災の被災地の方々に寄贈するんだと、大好きな趣味の絵画製作にも本腰を入れ続けた姿を見続けた自分にとって、やはり、死ぬまで働き続ける方が性に合っているのかも知れないと思ったよ。

自分が大学時代に、毎日、授業を抜け出したり、代返を頼んだりして、友人達と遊びまくっていた頃、不意に将来の漠然とした不安が過ぎった時に、本屋でたまたま目にして手に取って読んだ本(著者は、それ以来の自分の尊師、評論家の亀井勝一郎氏)に、こんな一節が書かれてあったのを思い出すよ。「私は、幸福の反対が不幸だとは思わなくなった。幸福の反対は、怠惰というものではないか。」とね。お父ちゃん、これ難しいよね。でもね。自分は、やっぱり、この意味、こう思うんだよね。幸せの青い鳥は、結局逃げて行っちゃうと言うけど、青い鳥は、飛び立ってもなお、一生懸命頑張っている人間には、幸せになるための、何か種みたいなものを残してくれていってるんじゃないかってね。そして、その種に毎日水をやり続ければ、きっと綺麗な薔薇が咲くんじゃないかってね。仮に、自分の生きている間に咲かなくても、自分の子供達が咲かせてくれるとかね。おまえらしいなって。そりゃそうだよ。俺はあんたの息子なんだからさ。じゃ、また、話そうよ。

行政書士#大学時代#東日本大地震#青い鳥#幸福